ワインの新酒って、なんで販売制限があるの?
もうすぐボジョレー・ヌーボーが解禁ですね。ワイン好きの方にとっては、解禁日はお祭りですよね。
でもこれそもそもなんで解禁日があるのでしょうか。
例えば日本酒ならば、もちろん、秋になれば新酒が出回りますが、解禁といった制限があるわけではないと思います。
一体その辺の事情はどうなっているのでしょうか、疑問ですよね。
ボジョレー・ヌーボーの始まりと販売制限
そもそもボジョレー・ヌーボーって何かというと、ボジョレーは、フランス・パリの東南に位置するブルゴーニュ地方の南部、美食の町リヨンからは北部に広がる地区のこと。
そのボジョレー地区で夏の終わりに収穫したぶどうを、その年のうちに仕上げた新酒。それがボジョレー ヌーヴォーです。
フランスのある特定地区の地ワインなんですね。
それは、1951年のこと。フランスでは、軍隊への供給を確保するために、ワインの出荷を12月15日まで制限すると省令が出されました。
それを受けてボジョレー生産者協会はフレッシュで心躍るようなボジョレーの新酒を、通常よりも早く販売したいと申請を起こしたのです。
そして想いが通じ、その年の11月13日、許可が下り「12月15日の解禁を待たずに今現在から販売することのできるワイン」が特定されました。
つまり、この時初めて「ボジョレー ヌーヴォー」と呼ばれるワインが正式に誕生したのです。
そうして誕生したボジョレー ヌーヴォーが、世界中で飲まれるようになったのは、第2次世界大戦後のことでした。
ボジョレー ヌーヴォーが世界で注目を集めはじめた頃、ワインの売り手たちは、いち早く出荷しようと競いはじめました。
その結果、質の悪いワインも出回ってしまい、せっかく世界に認められたボジョレーの評判を落としかねないほどでした。
そこで1967年、フランス政府は、ワインの品質を下げないために解禁日を定めたのです。
それが11月15日。解禁されるまでは販売も飲むことも禁じました。
ところがフランスは安息日に働かないお国柄で、この日が土日や祝日になると運送がストップして出荷ができなくなってしまいました。
1985年、フランス政府は安息日に重ならないように配慮し再び解禁日を定めます。
それが現在の「11月の第3木曜日午前0時」。
日付変更線の関係上、日本では本国フランスよりも早く解禁日を迎えるのです。
2015年は11月19日が解禁日です。
<以上、SUNTORY HPより>
その後、フランス政府がワインの品質を落とさないために販売制限がなされたのですね。
他国のワインの解禁は??
ここで素朴な疑問があります。それは他国のワインはどうなのか、ということですよね。例えばイタリアでも、ブドウはとれます。
そしてイタリアのワインもあるのですよね。
そしてイタリアにも新酒があり、“ヴィーノ・ノヴェッロ”といわれます。
例年は11月6日が解禁日と決まっていたのですが、イタリア農政政策省の新法規により、
2012年より10月30日に改定されて今にいたるようです。
また日本だって…
日本が世界に誇るワイン産地、山梨。
今から130年前の明治初期からワイン造りが始まり、現在80社余のワイナリーが集中する国内最大のワイン生産量を誇る山梨は、
ぶどう栽培に最適な気候・風土とワインを愛する文化・伝統を育み続ける、日本を代表するワイン産地です。
山梨では様々なぶどう品種が栽培されワイン醸造が行われていますが、
それぞれ品種により収穫期が異なるため新酒の出来る時期も異なり、
デラウエアーや巨峰などの新酒ワインは一足先に発売されていますが、
日本が世界に誇る日本固有のぶどう品種である甲州(※1)と
マスカット・ベーリーA(※2)で造られた新酒ワインを「山梨ヌーボー」と命名して解禁日を設けました。
<以上、山梨県ワイン酒造組合HPより>
そう日本の誇るぶどう産地、山梨でも”解禁日”があります。
各々の理由までは、言及されていませんでしたが、
各々ワインを楽しむ機会が増えるというもの。
それもよしでしょう!
2015年11月14日から15日に
「山梨ヌーボーまつり」が山梨小瀬スポーツ公園で開催されます。(10:00から有料試飲¥1000)
お近くの方はいかれて見てはいかがでしょうか。